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学習指導上の基本的考え方
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CONTENTS ■ 好きこそもののじょうずなれ
■ 教育における動機づけ
■ 動機づけの考え方
■ 内発的動機づけ
■ 教育における内発的動機づけ
   @教育方法
   A学習する意志
   B内発的学習意欲の開発
     (A)好奇心
     (B)能力向上への欲求
     (C)モデルを見習う欲求
     (D)社会的相互性






■ 学生の仕事は勉強です
■ やれば、できるのか
■ どの位の時間数が必要か
■ 一気に長時間やる意味
■ 何をどのようにやるのか
■ 生徒は学校で
ーーーー授業を受けている

■ 学習法を学習する
■ 学習ノウハウ
■ まとめ



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■好きこそもののじょうずなれ
 生徒が自ら好んで勉強する学科は良くできる・・成績がよい・・ ことは、誰でも知っていることです。 そしてこの教科の学習に関 しては、少なくとも生徒の在学校内のレベルにおいては、教師が教 える必要も非常に少なくなることも知られています。

もし、生徒がすべての教科(入試に必要な教科と置き換えて考え ても良いでしょう)に対して夢中になって学習するようになったと したら、教師の役割は今とは違うものになるだろうことは誰でもわ かります。

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■教育における動機づけ
 教育心理学における動機づけの考え方には、古くから2つの立場 があります。1つは『生徒を本来なまけもの』と見る立場。もう1 つは『生徒は本来学習意欲を持つもの』と見る立場です。前者にお ける教育法としては厳しい規則と罰則・たくさんの報酬と励ましが 必要となります。後者においては、その本来の動機によって起こる 行動を手助けしてやればよいことになります。

 慶應進学会は後者の立場をとります。

 生徒は、一定の条件を整えてやり、個々に異なる学習ニーズに答 えてあげることにより、『生徒の持つ本来の学習意欲』が出てくる ものと考えます。

 このことは、慶應進学会40年間の学習指導経験と膨大なデータ より完成されたシステムにより、実際に証明されていることです。


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■動機づけの考え方
 動機づけを考えるとき、動因と目標をセットで考えることが、必 要です。また、『動機づけ』とは、生体内の内的要因ですから、外 部から直接観察することは不可能です。生徒達の行動から推測され その行動説明のための用語として仮定されたものです。

 人を行動に駆り立て、その方向を定める場合には、その源になる 内的な過程・・動因・・と、それに対する目標の設定が必要となり ます。行動が目標に到達することで、内的過程を起こす作用は弱ま ると仮定されます。そして、十分にその目標に到達するなら、その 目標に方向づけられた行動は生じなくなります。

 初期の段階における、生徒達の学習に対する動機づけにおいては 次の目標を正確に与え続ける必要があります。

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■INTRINSIC MOTIVATION
 (内発的動機づけ)

 内発的に動機づけられた行動の現れを教育に限定して考えてみる と、過去の心理学者の研究より次の4つがあげられます。
 @感性動機 A好奇動機 B活動性動機・操作動機 C認知動機 です。

 @は感覚器官の活動を要求する動機、Bは筋肉器官を使用してそ の能力を高める活動を要求する動機、ACは、思考器官の活動を要 求する動機と考えられます。

@ 感性動機 人間は、ある程度以上の刺激に対しては疲労を示し 逃避行動を示しますが、全く無刺激になってしまうと、その状態に 対しては耐えがたくなってしまう。適当なレベルの刺激が必要で、 そのレベルに達することが動機づけになっています。

A 好奇動機 今までよく知っていることを、もう1度習うことは 退屈なことです。しかし、全く新しくても興味が持てません。興味 を引き起こすのに適当な新しさを教える内容に含ませることが必要 になります。

B 活動性動機・操作動機 赤ちゃんが歩きだすときの行動を考え てみればわかります。外部から、ほめられなくとも、だれも見てい なくとも、無報酬で努力します。

C 認知動機 好奇動機が新しいものを求める興味とすれば、認知 動機は入ってくる情報を整理する動機といえるでしょう。大人が仕 事を長期間継続する動機は、報酬にあるのではなく、その仕事に挑 戦し、それを解決することに喜びを見いだすからです。

 このような行動を支える動機は、達成動機とも呼ばれます。  生徒達が、ファミコンのロールプレイイングゲームを飽きずに何 時間もやるのも、この達成動機に基づくものです。膨大な時間をか けてクリアしても、得られるものは、『達成感』すなわち、何かを やり遂げた喜びだけです。このファミコンにかける情熱を、勉強に 向けられたら、生徒達の学力の伸びはどのようなものになるかは、 誰にでも理解できます。

 内発的動機づけの働きは、経験によって成長の仕方や速度が変化 すると考えられています。

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■教育における内発的動機づけ
(1)教育方法
 心理学的理論を取り入れた教育方法として、『プログラム学習』 と『発見学習』があります。前者は教え込みを主とし後者は生徒が 自分でわかってゆくのを手助けするのを主とします。  動機づけの面での違いは、内発的動機づけを主とする時は『発見 学習』、学習過程としての賞罰を重視する時は『プログラム学習』 にかたよることになります。

 内発的動機づけを中心とした学習をするには、生徒達の知的興味 の存在を予定しなくてはならず、この知的興味を起こさせるような 教材の組み合わせ方、指導の仕方が非常に重要なものとなります。

(2)学習する意思
  生体は、常によりよい解決法を求めるために努力するとされて います。よりよいとは、法則性を発見し、その論理性を考える努力 だとされます。
 天才の努力とは、ある対象の理解を既存の法則に従うのではなく、 それをより良くわかりたいという内発的な意欲に支えられ、それを やらざるを得ないような動機づけを持たされた人と解釈されていま す。

 学習する意欲とは、大学に入るためとか、将来のためとか、現実 的目標に対する努力ばかりのことではありません。理想論としては ある勉強がおもしろくてやるというような、外因的ではなく、内因 的な動因による学習ができれば、ということになります。

賞罰や、友達との比較が評価の対象となるような低次元での学習 意欲ではなく、将来にわたっての、内発的動機づけによる学習意欲 をもつ生徒をつくることこそ重要なことだと言えます。

(3)内発的学習意欲の開発
 将来にわたる学習意欲は、外因的な報酬によっては育たないこと が、心理学の様々な実験観察により証明されています。

 そこで、内発的な学習意欲を高めるために、外側からどのような 統制が可能になるかが問題となります。心理学者のブルーナーは、 (A)好奇心(B)能力向上への欲求(C)モデルを見習おうとす る欲求(D)社会的相互性、などを示しています。

 次にこの(A)〜(D)までの4点について、慶應進学会の立場、 教育方法を詳しく述べます。

(A)好奇心

 好奇心とは、内発的な動機づけの原型と考えられます。生徒への 教育で必要なものは、教えようとする学科に対して、好奇心を持た せること。そして、その好奇心を持続させること。さらにその学科 のその範囲を自分のものとしてわかったなら、次の過程への好奇心 を自分で起こすようになることが含まれます。

 受動的に起こされた好奇心の形から、持続的・能動的なものへの 移行が必要となるわけです。自発的な学習が進められ生徒がそれに 成功すると、そこに喜びの感情が生じ、さらに新たな世界を推理し たいという欲求が生じます。その結果、能力の開発への動機づけと 結びつくことになるわけです。
 慶應進学会には、小学4年生から浪人まで10学年の生徒が在学 しています。そして、生徒達は現在学校で授業を受けているわけで す(浪人はかつて)。

 従って、学校の授業を重複して行うことは意味を持たないと考え ます。慶應進学会では、生徒の『なぜだろう』『どうしてこうなる のだろう』という好奇心に、自らの手で答えられるように指導して います。一見時間がかかるようでも、学習法を学習した生徒の伸び は、目を見張るばかりです。このために、慶應進学会図書室には、 約6,000冊の辞書・辞典・参考書が常備されているのです。

 そして、その使用法・調べ方に関しては、担当助手が詳しくアド バイスしています。
 もちろん、授業形態を取るほうが効率的な場合は、特別授業を随 時行っています。(中学受験・季節講習時の総復習は授業中心。)

(B)能力向上への欲求

 人間には、能力を向上させたい動機づけが認められることは、心 理学における定説となっています。そして、この能力向上への欲求 は、その努力があった時ある程度の達成感がないと、その活動への 興味を持続させることが難しいことがわかっています。

 この達成感は、他の生徒との比較や外的基準によるものより、各 人の過去の記録への挑戦という形をとるほうが、より効果的だとさ れています。
 達成感を持たせるためには、課題を与える場合始めと終わりとが はっきりしている必要があります。

 慶應進学会では、自分の力で完成し、『やり遂げた』という意識 がもてるよう工夫しています。この完成の経験は、次の段階に進む 能力についての自信をつくることとなります。

 塾内テストでも、上記理論に基づき、他者との比較・・得点順位 の発表・・などは、1980年より行っていません。このようなこ とをしなくとも、中学・高校・大学入試において、ほぼ全員第一志 望校合格を果たしています。(競争相手は共に学ぶ仲間ではないこ とを徹底させています。)

 また各自の在学校における成績も、9割以上の生徒は大幅に伸び ています。

(C)モデルを見習う欲求

 生徒達は、具体的な人間を到達モデルとして考えることが多い。  これは、心理学の立場からも証明されていることです。

 慶應進学会内で10学年の生徒が学び、教科助手・事務助手とし て卒業生の大学院生・大学生が在籍していることは、この点で意味 をもってきます。

 例えば、筑波高校に入りたいと思っている生徒は、この間まで中 学生として学んでいた先輩が、筑波高校生として共にまなんでいる わけです。高校生にとっては、希望の大学に合格した先輩が、助手 として手助けしてくれます。大学生にとっては、先輩の大学院生。 彼等にとっては、海外の大学院に留学している先輩達。ニューヨー ク・ロンドン・ミラノ・ジュネーブ・アントワープなど、就職後海 外に赴任している先輩達。医師・歯科医師・薬剤師・弁護士・公認 会計士・税理士・1級建築士など、専門職として活躍している先輩 達。モデルには、ことかかないわけです。

 受験学年以外の生徒も、学校の定期テストで一気にトップになる 友人・先輩の姿をみて『頑張ろう』と考えるチャンスがいくらでも あるわけです。

 (D)社会的相互性

 内発的な学習意欲を高めるための条件の1つとして、最後に『友 達の役割・集団の働き』を挙げることができます。例えば、ひとり で学ぶ生徒と、集団で互いに、学習法に関する意見を出し合ったり 助け合ったりする場合です。互いの学習態度観察や、ノウハウの交 換により、各人を刺激することができるわけです。 全く受動的な授業形態をとっていては、このような相互作用は 生じません。年間カリキュラムに沿って全体授業を進めていくのが学校 の重要な役目なら、慶應進学会は、小集団における(1チーム6〜 8名・2チームで1クラス)ゼミナール形式の相互作用を重視した 指導法もとっています。(中学生・高校生・高卒生)

(ただし、必修季節講習時は『全体の総復習』を行うため『授業形式』が中心となります。)

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■学生の仕事は勉強です。
 当たり前のことですが、勉強することがいやなら、法律で決めら れた義務教育のみを受け、その後は学生生活を続ける必要はないと 思います。そのような生徒達にとっては、受験は関係ないことであり、 小中学生時代を終え、社会人となれば何も問題ないわけです。

問題となるのは、大多数を占める中途半端な学習姿勢の生徒達です。 勉強のことが頭から離れないのに、あまり勉強していない。定期 試験前に一夜漬けの勉強をチョコチョコッとやり、試験が終わった といって又ほとんど学習しない日々を過ごす。『やらないからでき ない』という単純な原因の積み重ねで、どんどん遅れをとっていく。

 このような生徒達は『やらない理由』を考えつく達人です。
そして、高校・大学への進学を『希望』しており、何とかうまい 方法はないかと考えているわけです。昔から『学問に王道なし』と 言われているとおり、『夢』と『希望』だけで学力をつけることは 不可能です。

『夢』と『希望』を実現させるには、やらなければだめです。学校 成績3〜4では、学校差を考えれば、ほとんど上位大学合格は無理 と思ったほうがよいでしょう。

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■やればできるのか。
 少なくとも、『やらないからできない』生徒はやればできるように なります。『何をどうやるのか』・・・・・これに対する回答は時 間数だと慶應進学会では答えています。簡単な学習法を説明し、 後はやること。これだけです。『やらないからできない』段階の生徒 は、在学校内の定期テストレベルの対応はこれで十分です。 やることによって、疑問点が生ずる。その内容により慶應進学会 教科指導担当助手が、学習法を指導する。これを繰り返します。

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■どのくらいの時間数が必要か。
 まず、机に座って学習する習慣をつける訓練に100時間。次に 「優先順位をつけた正しい学習法」による学習に100時間。この 200時間を、最短期間で集中的にこなす。平日は1日5時間、土 日祭日は8時間位を休みなく一気にやってみることです。 慶應進学会はそのお手伝いをします。 『やらない理由』を考えていても始まりません。まず『やる』こ とです。『やる』なら、半端な勉強ではだめです。中途半端な学習 はやらないのと同じです。過去のだらけ癖を吹き飛ばすつもりでや ることです。

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■一気に長時間やる意味はなにか。
 前述のとおり、過去のだらけ癖を吹き飛ばし、一気に成績を上げ ることです。そして、この期間と成果を通して、勉強に対して、 『やればできる』という自信を持たせることが最大の目的です。  生徒達はそれぞれの学力に応じた学校に在学しているわけであり 学内の成績アップはこれで十分です。  もちろん科目によっては『一気に』というわけにはいきません。 しかし、『やればできる』ということを自覚した生徒は、学習に対 する構えが以前の彼とは全く違ってきます。

 慶應進学会在学中の中・高校生では、過去数年間下から何番とい う成績を取っていた生徒が、一気に学年1番・2番となる例がよく あります。単科の場合は、学期毎にこのような例が見られます。

 学習に対する構えが身につき、自信を持った生徒の伸びは驚くべ きものがあります。高校受験はもちろん、大学受験でも、商業・工 業高校生が、在学高校開校以来初めて上位大学合格、等の例もたく さんあります。

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■何をどのようにやるのか。
 これが一番重要です。慶應進学会では、単に『頑張れ』などとい うことは言いません。精神論でかたずくなら、誰だって学力向上を 果たせるはずです。何をやるかは、生徒個々の優先順位により異な ります。

一クラスだけ置いている中学生の場合、受験学年以外は学校の定期テストの範囲の学習が中心と なります。特定科目の弱い生徒は、その科目が中心です。

 高校生・高卒生は 原則として、英語の学習を中心に行います。数学の必要な生徒は平行して進みます。 他教科(受験科目)にも重点を置く必要がある生徒はその科目も含みます。

 どのようにやるのかは、英語は、 慶應進学会伝統の”POWER ENGLISH”プログラム。数学も、必要範囲の慶應進学会数学プログラム。 これと並行して、生徒個々の進度・理解度に応じて、個別 に、又全体説明を併用して指導してゆきます。
 慶應進学会の学習プログラムは、呼称は似ていても、学習心理学上の画一的「プログラム学習」では、ありません。 各自の目標・進度に個別に合わせられるように独自に研究開発されたものです。
常時修正もしています。

 「成績」という自己記録の大幅更新という目に見える成果を出させ、それにより生徒の『やる気』を引出し、 目標を設定し『何を・どのように』やるのかを指導することが慶應進学会の高効率学習指導ノウハウです。

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■生徒は学校で授業を受けている。
 繰り返しになりますが、このことを忘れてはいけません。慶應進 学会在学生は全員、今学力を高めようとしている教科に関し、現在 または過去に学校で授業を受けているわけです。そもそも、基礎の 基礎を学ぶ中学・高校生にとって、それぞれの学力に応じた在学校 で受ける授業が難しいわけがありません。しっかり予習・復習をし 覚えるべき基礎事項を十分な時間をかけて『理解』し、『覚え』て 定着させるために『問題演習』をし、さらに不備な点をおさえてお けば間に合うはずです。

 そして、高校大学受験の最終学年では、志望校の求める学力の段 階まで学力をさらに伸ばすことを目標に努力すればいいわけです。

 さて、それでは、生徒の学習活動の中で慶應進学会の役割は何か ということになります。答えは当然、授業以外のものが中心になる ということです。そもそも、授業というものは年間カリキュラムに 基づいて、必要なレベルルで一方通行で進行させるべきものです。 生徒個々のレベルに合わせてスピードダウンさせたり繰り返したり していれば、限られた期間に全体を通すことができず、最後にしわ 寄せがきてしまいます。

 『基本授業は学校で受けている』という前提に立てば、予習・復 習をし、覚えるべき基礎事項を十分な時間をかけて『理解』し、 『覚え』て、定着させるために『問題演習』をし、さらに不備な点 をおさえることを生徒に実行させることが慶應進学会の役割です。  もちろん、必要があれば『授業』も行います。

 ここで、重要な問題が一つあります。中学1年から始まる英語、小学生時代より続く算数→数学です。 スタート時点からしっかり学習していれば問題はないわけですが、途中からの学習の場合です。
 慶應進学会スタート時は、小学5年生から大学受験までの一貫教育でしたが、 近年途中入学者が大部分になっています。そうなると、在学校の学校差が問題になってきます。

 高校生になってからの入学者の場合、特にその差が顕著です。

 中高一貫私立上位進学校では、中学生で高校数学・英語に 入るカリキュラムのもとに勉強してきている。したがって、高校生の段階でかなりの学習量をこなしてきて高学力の生徒もいる。一方 大部分の生徒は、スピードのはやさに早い段階で付いていけなくなり、慢性的消化不良を起こし、成績低迷群団から抜け出せない でいる。半数以上の生徒にとって、高校の高速カリキュラムが機能不能になっているわけです。

 大部分の高校受験で入学した生徒たちは、学力差に応じた学校に進学したわけで、中低位ランクの高校在学生は もともとあまり勉強していない生徒の集団であるから、内部での成績維持にはそれほどの苦労はない。中学時代に「勉強」しなかった だけで、基本的能力は十分ある多くの生徒たちまで「井の中の蛙状態」になり、全国レベルでの高学力とはかけ離れたものになる 恐れがある。

都立上位高校入学者の場合。少子化時代の少人数中学内での学力勝負であったとは言え、成績上位者であった、やれば出来る 可能性の大きい生徒達です。しかし、ほとんどの生徒は、合格の喜びと解放感から勉強に身をいれず浮かれていてあっという間に成績不振。 中学範囲の英語・数学とは難しさのレベルが数段違う高校での学習に手を抜いてしまうのだから、 ダメージの大きさははかり知れません。

高校生になってから、それも中途からの出遅れたスタート。そして国公立上位大学・私立上位大学進学希望とい う生徒たちは、英語・数学の徹底基礎復習から始めなければ間に合いません。

これらの生徒達のために、どのようなレベルの生徒たちにもできる基礎力完成から、合格までの学習システムが 慶應進学会での学習です。モチベーションの維持継続まで考えた、総合システムです。成果は実績で証明しています。



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■学習法を学習する。
 全学年共通のテーマは『学習法を学習する』ことにあります。 学習を通して、学習のしかたを学習し成果を上げた生徒は、他の教 科・類似の他の分野における学習法も学習したことになります。次 の学習に要する時間が大幅に短縮されるわけです。もちろん、ここ でも『やって、できた』という自信は、学習にたいする構えとなり 『やる気』を引き出す要因となるわけです。

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■学習ノウハウ
 短時間で楽にできる方法などはありません。『学問に王道なし』 といわれるように、やらないで出来る方法などはありません。
 しかし、同じ時間をかけるなら『より効率的な学習法』はありま す。これは、生徒個々の『目標』『現在の必要教科毎の学力』『学 習できる時間数』『学習歴』『能力』により異なります。

 慶應進学会では、教育心理学・学習心理学の理論と、1973年来の 積み重ねによる経験から生み出されたノウハウにより指導を行って います。

 なお、現在の慶應進学会のシステムでは、最大で200名が限度 です。このため、入学希望者には『面接試験』で生徒の『やる気』 と『適性』を判断し、お引受するか否かを決定しています。
 慶應進学会では、学年最下位に近い高校生が、1ケ月強で学年ト ップになった例、全国模試英語偏差値38の高3が、8ケ月後に 早稲田・上智など7校に合格した例などが、毎年あるのですから 現在の学力は問題にしません。
 必要な要件は『学力を伸ばしたい』『合格したい』という意志と それを実現するのに必要な範囲の能力・体力といえるでしょう。

  ☆慶應進学会で学習効果をあげるためには、現在の学力よりも 『学力向上の意志』が絶対条件として必要です。

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■まとめ
 学生の仕事は勉強です。完全に勉強を取り除いてしまうなら学校 に通う必要性はないわけです。

 良き友をつくり、様々な経験を積むことも、もちろん学校に通う 大きな目的の一つです。しかし、一定レベルの学力がなければ、楽 しかるべき学生生活も、その根本において苦痛となることは間違い ありません。そして、成績不良に陥った生徒に対する救済措置とい うものを学校に要求するのは、無理な話です。

 勉強は、『正しい方法』で、『自らの意志』でやるものです。
教育心理学の『動機づけ』は、この意味から勉強を仕事とする学 生に、最も必要なものです。予防医学、予防法学のように予防教育 学という言葉があってもよいと考えます。

 大部分の生徒にとって、成績が悪くならないよう、始めから「正 しい学習習慣」をとることは可能なことです。もし、悪くなりはじ めていたら、取り返しのつかないレベルになる前に一気に挽回する ことも必要です。殆どの生徒にとって、長い学生生活の間に、何回 か、このようなことがあるはずです。

ただし、勘違いしていただきたくない点は、慶應進学会在学生の 過半数の生徒の学校内成績は、トップクラスだということです。目 標が高いために、より一層の努力をしているということです。
 慶應進学会は、頑張ろうと決意し入学した生徒なら、どの段階の 生徒に対しても、その決意を形にする「お手伝い」をしたいと考え ています。

 現役の生徒たちは、学校で授業を受けるかたわら、慶應進学会 に通学しています。

慶應進学会がいわゆる「進学塾」として、学校と同じような全体 授業だけに終始しているのなら、生徒たちが、長期間通って来る意 味はありません。

 一口に学校と言っても様々なレベルのものがあるように、「塾」 にも様々なものがあります。

 繰り返しになりますが、学生が学んでいるのは、基礎の基礎です。 例えば、大学入試で数学が満点だったとしても、「数学者」になった わけではありません。

 よく学校成績の良い生徒に対して、○○君は頭がいい、などと言います。

 では、A君の例。A君は、高3一学期偏差値35。現役で第一志望の早稲田はじめ、7校に合格。 (慶應進学会の実例です。)この場合、A君は、一学期は頭が良くなくて、入試直前に 今までかなわないと思っていた仲間を、ゴボウ抜きして大変身したのですか?

 確かに、やってもできない生徒もいます。勉強は、人間の持っている多くの能力の中の 一つに過ぎません。しかし、過去の経験と実績より、8割の生徒は、やればできると断言できます。「正しい学習法」で。少なくとも、基礎の基礎を試す、大学入試レベルのものは。

 慶應進学会は、生徒が自らの力で成功体験を積み重ね、努力と自 信により、人生のより大きな目標にチャレンジする精神を培うお手 伝いをすることを、目的としています。



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